赤い刻印 - Secret Love -
いつものように淡々とHRを進める村田先生。
私は一番後ろの席からその姿をボーッと見つめる。

あの日から1週間、先生は確実に私のことを避けている。
こっちからも気まずくて話しかけられない状況だし。

「ねぇ、何だか村ちゃん変じゃない?」

前の席の麻美がこっちを振り返ってそう言う。
その言葉に一瞬ビクッとしたけどなるべく平静を装って麻美を見た。

「そう?」
「ここ数日テンション低いような気がする」
「それいつものことじゃん?」

麻美は勘が鋭い。
麻美の洞察力にに内心ドキマギしながらそう答えて微笑んでみた。
顔引きつってたらどうしよう?

「まあそーだけど。どこか上の空なんだよね」
「…」
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