五感のキオク~記憶の中のアナタの声~


「……その顔、エロ、」


私はその声を聴くと、自然とそういう顔をしてしまうらしい。


なのに彼はそんな風に言うばかりで、手には触れてくるのに、名前は呼んでくれるのに。

その鼓膜を震わせるばかりで、肝心な……


「もうぜってー、放してやんない」


ため息交じりにそう言うと、噛みつくように口付けてきた。


その口づけだけでも十分に溶けているのに。

さらに追い打ちをかけるように、口を離すたびに私の名前を囁く。


もっと、


声にも出せずにそれに答えていると


「なぁ、いいの?止めなくて」


今更なことを言う彼。

彼の手も口も止まりそうもない。それに、


「……もっと、」


そう思ってるのは私も同じ。
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