千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
なんとかリハーサルは無事に済んで、輝の体調も良くなってきた。


「まじでみんなごめん!!もう大丈夫だから!」



「本番出られるならオッケー!」



「何事もなくてよかった!気にすんなよ、輝!」



「でも油断は禁物!あんまり動きまわっちゃダメだよ?」



「分かってるよ。サンキュな」



「…じゃあ、一端解散ってことだよね?」
クラスの女子がそわそわした様子で声をかける。


「うん!次は11時に体育館集合ね!みんな遅れちゃダメだよ!ってことで一旦解散!!」

わぁっとクラスに人気がなくなる。
みんな他のクラスの出し物が見たくてソワソワしてたみたい。かく言う私も……


「綾乃ちゃん、先輩のクラス見に行こっか!」


「そうだね!!輝はどうする??」


「俺も行きたいけどまあ明日もあるしな。劇が終わるまでは大人しく教室にいとくわ」


「輝くん本当に無理しちゃダメだよ?」


「愛海は心配症だなー。って心配するのも当たり前か。無理しないから大丈夫!ありがとな」

そう言って輝はふっと柔らかい笑顔で愛海ちゃんの頭を撫でた。

「……どういたしまして。綾乃ちゃん、いこっ」
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