千秋先輩。その鈍感、本気ですか?
「……なんか、いい感じじゃなかった?」


「……綾乃ちゃんもそう思う!?」
食い気味に愛海ちゃんがのめり出す。


「…最近、なんか輝くんが変わったなぁって思うことが多くて…。勘違いかもしれないんだけど!それでも前よりはずっと今の方が仲良くなれたとは思うんだ。…でもやっぱり私輝くんと付き合いたいんだよね。彼女になりたい」



「愛海ちゃん…」



「だから私ももう一回輝くんに告白する!!『告白大会』で!!」
愛海ちゃんがビシッと中庭を指差す。
中央ステージ…?


「『告白大会』?」


「あれ、綾乃ちゃん知らなかったの??確かに、公式に出回ってる訳じゃないもんね。ほら、あのミスコンのステージあるでしょ??あれ、夜になると非公式の『告白大会』が開催されるんだ〜!思いっきりステージで大声で告白するの!」


「え、そうなの!?」


「恥ずかしいけど、あれ90%の確率で告白が成功するらしいんだ!!だから、私もラストチャンスで行ってみようかなぁって」


90%!!


「すごい!!私もそれで告白しようかな!」


「でも多分千秋先輩のライブと時間重なってるんじゃないかな?告白する相手がその場にいないとダメなルールだったはず」


「そっか〜」

残念すぎる。でも、千秋先輩のライブは見たいし!


「ちょっとエントリーだけしてくるね!!」
愛海ちゃんがぱっとステージに走っていく。
本当にエネルギッシュでかっこいいなぁ。
私は怖がってばっかで、途中で告白も止めたのに愛海ちゃんは止まることなくどんどんどんどん突っ切ってく。


「あっ、あや!!!」
< 126 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop