何度でも、愛を叫ぶ。


トントン


暫く、物思いに更けていると


「俺。」


「ああ、先輩ですか。入ってください。」


「…伊藤先生から急に呼び出されて、驚いたよ。入院してるんだってな。」


「はい。末期のすい臓がんみたいです。」


自分のことなのに、なぜか他人のことのように感じる。


「…は?」


俺の態度が、余りにもいつもと変わらないため信じられないような顔をする。


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