嵐を呼ぶ噂の学園① とんでもない学園に転校して来ちゃいました!編
「ことちゃん、会長の座、狙っちゃう?」



「いやいや、まさか。私、権力を振りかざして生徒を改心させたり、統制したりしたいなんて、これっぽっちも思ってないので」



「そうなの~。残念だなぁ」
   


園田さんにあの紙を見せてみたら、この有り様だ。


あぁ、見せなきゃ良かった…。


なんか、大事にされそうで怖い。



しっかり自分の意志を持って立ち向かわねばならない。


じゃないと、流されちゃう。


ユラユラ、ユララ~ン…。


…って、なんかこんな詩があったような…。



ゆやーん、ゆよーん、ゆやゆよーん


だっけ?


中原中也さんの詩かな?


中学校で習った記憶がある。


今思い出すとは、びっくりです。



「ちょっと、ことちゃん!話、聞いてる?」



しまった。  


またボケーッとしてしまった。


えーと、なんの話だっけ?



私はよく記憶喪失になる。


たった今話したことも忘れてしまう謎の現象が起きるのだ。


認知機能に欠陥があるとしか思えないよ。



「ことちゃんって不思議な子だよね。ま、いいんだけど」



私…この前も似たようなセリフを聞いた気がする。


「ま、いいんだけど」って、な~んも、良くないじゃん! 


私のせいで園田さんを振り回してるんだよ。
  

反省の余地ありでしょう!



私は心の中で園田さんに深々と頭を下げた。



「でさ、この前言おうとしたことなんだけど…」



園田さんが話し出そうとした、


その時だった。



「星名湖杜さん」
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