眠り姫に恋したのは年下御曹司
「では、もう少し飲みに行きませんか?」


「いいですよ。」


「俺の行きつけでいいです?」



俺の?


明らかに雰囲気が変わった。


そんな双葉さんと目が合う。




「それとも片桐さんのオススメでもいいですよ?」


「いえ、お任せします。」



挑発的な言葉に私もそう強気な態度が出てしまう。


ニヤリと笑う双葉さんに眉間の皺を寄せた。



「双葉さん、何ですか?」


「いえ。片桐さんって負けず嫌い?」


「別に。そんな事はないです。」


「そうですか?なら行きましょう。」



突然、道路に向かって手を上げる双葉さんに目を見開いた。


だって目の前にはタクシーが停まろうとしているから。



「片桐さん、乗って?行くよ?」



マイペースな双葉さんに唖然とする。


この辺りではなく、タクシーで移動するような場所に向かおうとしているからだ。


私はタクシーに乗り込めば、隣には双葉さんが座り運転手さんに目的地を話している。
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