眠り姫に恋したのは年下御曹司
「おはよう~。」


「おはようございます。」



自分の席に向かう途中、仲良しの後輩へ挨拶をする。


私も三十路だ。


会社でも後輩が沢山増えてきた。



「おはようございます。」


「おはよう。」



勿論先輩もいる。


私は自分の席に腰掛けてPCを起動させた。



「片桐さん、後でレビューをお願いします。」


「わかった。」



隣に座るのは私が教育担当をしている山中一(やまなか はじめ)だ。


入社2年目の後輩だ。


そして私は入社8年目になる片桐莉乃(かたぎり りの)。


今年の誕生日で30才になってしまうのだ。


彼氏と別れて一年は経つだろうか。


やっぱり男は年下の可愛らしい女を選ぶのだと痛感していた。


別れた彼も年下の女に乗り換えたのだ。



「片桐さん、疲れてますよね?俺のレビューにも付き合って頂いてるし。」


「ああ、全然大丈夫だよ。」



いつの間にか溜め息を漏らしていたらしい。
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