眠り姫に恋したのは年下御曹司
年下だからと甘くなっていたのかもしれない。


別に付き合うぐらい。


そんな気持ちもあった。



「莉乃、本当?」


「いいよ。」


「俺の女?」


「そうなんでしょ?」


「うん。」


「携帯でも交換しとく?」



私の言葉に返事はない。


携帯は教えたくないのか?


不思議に思い、陽平をじっと見つめていれば、目を逸らされた。



「嫌ならいい。」


「…………した。」


「えっ?何?」


「もう交換した。」



陽平の言葉に脳が停止した。


交換した?



「莉乃が寝ている間に交換しておいた。」



しておいた?



「どうせ交換するんだし。」



何処からその自信は来るんだ?


フラれた事なんてなさそうな男だ。



「そっか。なら帰ろうかな。」


「朝ごはんを食べるだろ?」


「ここで?社長と?社長の奥様と?」


「そう。ほら、もう出来てるんじゃない?」


「無理。帰る。」
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