葵くん、そんなにドキドキさせないで。
***
「…ちょっと、華子?こんなところで何してるの?」
「わっ…!?」
次の日の朝、靴箱にて。
私、田中華子…隠れてます。
どうしてかってそりゃ、一番会いたくない人がいるからでっ!
「もう少しでHR始まっちゃうよ?急がなきゃ!」
「あっ、ちょ…!待って、陽菜ちゃん!」
ダメダメっ、今は絶対ここから動いちゃダメなんだよ…!
だって、すぐそこの階段
そこにいるんだ。例の王子様がっ!
私を引っ張る陽菜ちゃん
ううっ…力で勝てるわけがない
「…あ、三河だ。相変わらず囲まれてるね〜」
陽菜ちゃんの後ろに隠れるようにして早歩き