葵くん、そんなにドキドキさせないで。


ぜ、絶対見つからないようにしなきゃ…


チラッと階段の方を見ると、葵くんはまだ女の子たちに囲まれていて。




「ひひひ陽菜ちゃん、今日は向こうの階段から上に行こう…?」


「え?うん、別にいいけど…」




どうして?って、陽菜ちゃんの顔が言ってる

ご、ごめんね…事情は後で絶対話すからっ




葵くんを取り囲む女の子たちの軍団

その後ろを通り過ぎようとした時





「あ、田中さん。おはよう」





………王子様に見つかった。




ビクッと肩があがる

それから、ギギギ、とロボットみたいに声のした方を見た





「ねぇ、良かったら一緒に教室行かない?」


「あっ、葵く、」





遠慮しときます。そう言いたいのに…


< 17 / 351 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop