葵くん、そんなにドキドキさせないで。
葵くん、頑張れ!
これでもかってくらいの大きな声。
こんなに大きな声を出すのは久しぶりだ。
届いてるかな?……届いてるといいな。
「……あ」
そう思った時、葵くんと目があった。
汗をかいていて、たくさん走ったせいで苦しそう。
ギュッと手のひらを握りしめる。
頑張って……頑張れ、葵くん。
「頑張って!!」
そう叫んだ瞬間、葵くんが小さく笑った気がした。
試合終了まであと3分。点数はまだ敵チームに追いつけていない。
同じクラスで運動神経抜群の男子がシュートを決めた。これで、同点!
無意識にぎゅっと両手を胸の前で握りしめる。
3年生チームのドリブルを、大野くんがカットした。残り時間はあと数十秒。
「三河!」