葵くん、そんなにドキドキさせないで。


***


「田中さんごめんっ!今日の掃除当番代わってくれないかな…!」





帰りのHRが終わった教室にて

目の前でパンっと両手を合わせるクラスメイトの女の子





「ゔ…で、でも私今日はちょっと…」




葵くんのいる学校から早く帰りたいっていうか…!





「一生のお願い!今日彼氏の誕生日なの…」


「たっ、誕生日…」




…彼氏の誕生日って、たしかに大切な記念日、だもんね




「………うん、分かった」




こんなに必死に頼んでる子のお願いを断ることは、

…私には出来ないな…




「ありがとうっ!田中さん!」




ぱぁぁっと笑顔になってお礼を言ったあと、

その子はすぐに教室を出て行った



彼氏さんとステキな日を過ごせますように…なんて。


< 22 / 351 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop