葵くん、そんなにドキドキさせないで。
苦笑いをこぼして掃除用ロッカーからほうきを取り出す
「(……急がなきゃ)」
葵くんの机の上には、まだカバンが置いてある
…どこに行っちゃったのか分からないけど、戻る前に掃除終わらせて、
それで私も早く帰ろう。うん、そうしよう。
「……彼氏、かぁ」
ほしいって思ったことも、
ましてや好きな人ができたこともないしなぁ…
…ハッ、もしかして私女として終わってる…!?
「(いっ、いやいや!)」
彼氏なんてすぐに出来るものでもないしっ!
私には陽菜ちゃんがいるだけで、もう十分毎日が楽しいもん。
……でも、
「彼氏がいたら、きっと毎日が幸せなんだろうな…」