葵くん、そんなにドキドキさせないで。


今日は11月25日。

葵くんの偽物の彼女になってから、もう2ヶ月なんだなぁ……。



大野くんとすれ違ったあと、陽菜ちゃんが気づかうように顔を覗き込んできた。





「私なら大丈夫だよ!」





陽菜ちゃんには、大野くんにキスをされた次の日に、電話で事情を説明した。


その日はそのまま早退しちゃったから、家でね。




『大変だったね……今日はゆっくり休みな』って言ってくれたっけ。





「そういえば大野ってさ、最近女子と一緒にいなくない?」





私の言葉に安心したように息をついて、そう言った陽菜ちゃん。





「確かに、言われてみれば……そうかも?」


「チャラ男だったのに変だよね」


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