リボンと王子様
「それで?」
お店から少し離れた川縁を私達は歩いていた。
千歳さんはピタリと足を止める。
水面が真夏の強い日差しを受けてキラキラと輝く。
暑さのせいか人影がまばらな場所に、千歳さんの声が響いた。
「穂花……俺に話してないこと、あるよね」
立ち止まった千歳さんは私に向き直る。
一瞬、川からの強い風が私の髪をさらった。
「千歳……さん」
「いつになったら話してくれるつもりだった?
それとも話さないつもりだった?」
その言葉に。
有子おばさまとの会話が聞こえていたことを知る。
ザッと顔から血の気がひいた。
頭上を照らす太陽は変わらず明るいままなのに。
先刻まで感じていたうだるような暑さを感じなかった。
「ちが……話そうと……」
舌がもつれてうまく話せない。
喉がカラカラになる。
「穂花が葛さんだったんでしょ?
……俺が気付いていないとでも思ってた?」
淡々と話す千歳さんの瞳には恐いくらい何の感情も浮かんでいない。
「いつから……」
ゴクリ、と唾を呑み込んでかろうじて言葉を吐き出す。
「いつから?」
私とは対照的にひどく冷静に千歳さんは答える。
お店から少し離れた川縁を私達は歩いていた。
千歳さんはピタリと足を止める。
水面が真夏の強い日差しを受けてキラキラと輝く。
暑さのせいか人影がまばらな場所に、千歳さんの声が響いた。
「穂花……俺に話してないこと、あるよね」
立ち止まった千歳さんは私に向き直る。
一瞬、川からの強い風が私の髪をさらった。
「千歳……さん」
「いつになったら話してくれるつもりだった?
それとも話さないつもりだった?」
その言葉に。
有子おばさまとの会話が聞こえていたことを知る。
ザッと顔から血の気がひいた。
頭上を照らす太陽は変わらず明るいままなのに。
先刻まで感じていたうだるような暑さを感じなかった。
「ちが……話そうと……」
舌がもつれてうまく話せない。
喉がカラカラになる。
「穂花が葛さんだったんでしょ?
……俺が気付いていないとでも思ってた?」
淡々と話す千歳さんの瞳には恐いくらい何の感情も浮かんでいない。
「いつから……」
ゴクリ、と唾を呑み込んでかろうじて言葉を吐き出す。
「いつから?」
私とは対照的にひどく冷静に千歳さんは答える。