リボンと王子様
懐かしい出来事を思い出しながら、私は二人の会話の邪魔にならないように、お料理を見つめた。



瑞希くんからは、時折電話がかかってくる。

季節毎にカードも送ってくれる。

内容の殆どは私を心配するものばかりだったけど。




お料理の味付けがとても優しくて美味しい。

見たことのないような盛り付けに目を奪われ、お料理に夢中になり舌鼓をうつ。



「そういうわけなんだけれど、どうかしら?」

「そうねえ、穂花ちゃん次第ね。
穂花ちゃんが嫌がるなら、無理強いはしたくないわ」

「それは勿論よ!
でも穂花さんしかいないのよ!」

「それで?
穂花ちゃんはどう思う?」



いきなり話題を振られて、私は箸を持ったまま止まってしまった。

「え、あ、あの……」

全く会話を聞いていませんでした、とは言いにくく、どうしようか思案しながら箸を箸置きに置く。

「穂花ちゃん、聞いてなかったでしょ?」

公恵叔母さんが面白そうに目をくるっと動かす。

「……す、すみません……」

「あらあら、いいのよ。
お料理をいただきましょうって言ったのは私達ですもの。
穂花さん、お願いがあるのよ……」



切羽つまったような表情で、有子おばさまはガシッと向かい側から私の両手を握った。

「は、はいっ……」

その勢いに気圧されつつ、返事をする。
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