意地悪な集団
「あのさー、何か答えたらどうなわけ?アンタさ、和也のこと本気で好きなの?好きだとしたら・・・完璧な裏切りだよね。分かってんの?って聞いても意味ないか・・・。どうせアンタの頭はクルクルパーだからね。・・・こんだけ言っても何にも答えないって本当にアンタの頭どうなってんの?これだけ悪口言われたら、普通、反論するか泣くよね!何の反応もないって、人間的にヤバイんじゃない?はぁ・・・もう時間だし、うちら行くから!行こっ、結衣も恵里奈も」
そう言って晴香を残し、更衣室を出た。


「おい、何やってたんだ!みんな待たせてたんだぞ」
鎌田が大声で叫んでいた。
「すいませーん、何か、いろいろと事情があってー」
「まぁ、いい。とにかく座れ」
「準備体操は、いいんですか?」
「時間がない。今回だけは仕方がない」
私と朱莉と恵里奈は、末明、七海がいるところに座った。

「これで全員そろったな?」
「みんな、いまーす」
私が大声で答えた。
「椿は、こういうときだけ、ちゃんと答えるよな」
「は?何それ」
「とにかく、今日は跳び箱だから、さっさと準備して、始めるぞ」
『はーい』


「はい、まず今日は8段にチャレンジしてもらいます。どうしてもダメな人は、あっち側にある6段を練習してください。では、始め」

「よしっ、じゃぁー、8段行く人ー」
『はぁーい』
私の声かけに恵里奈と末明と朱莉が手を挙げた。
「あれ、七海は?」
「あー、ちょっといきなり8段は自信ないから、しばらく6段のほうで練習するよ」
「オッケー、できればでいいから、こっち来てね」
「うん。じゃっ」

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