宮花物語
黄杏や黒音がいる屋敷は、宮中の中にもう一つ門を置き、出入りする者を見張っていた。

夜になっても、護衛の者は数人、この屋敷の敷地内を警備しているはずだった。

「護衛の者はどうした?」

信志が辺りを見回しても、その姿はない。

「どこにいる?」

信志が探そうとしても、女人は動かない。


「皆、黒音様を軽く扱っているのです。」

「これ!」

黒音が女人の一人を止めた。

「他のお妃様に比べて身分が低く、寵愛も薄いと、護衛の者も警備をしてくれません!」

驚いた信志は、黒音を見た。

「本当か?黒音。」

だが黒音は、黙ったままだ。

「お願いです、王。盗賊が入ろうとしたのは、これが初めてではありません!護衛の少ないこの屋敷を、狙っているのです!どうか!我らが安心して、眠れるようにしてください!」

女人が泣きながら、訴えてきた。

他の女人も、口惜しさと恐ろしさで、震えながら涙を流す。
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