宮花物語
だが二人共、再会を喜んでいる時間はなかった。

「護衛長殿、お下がりください。」

部隊をまとめる男が、部隊長に刀を向けた。

「お前こそ、下がれ!この方を、どなたと心得るのだ。お妃様の兄君なるぞ!」

「だからこそ、このまま宮中の外へ、逃がす訳には行きません。」


護衛の者達が、勇俊に切りかかる。

「護衛長!」

「大丈夫です!」

勇俊は一気に、5人もの護衛達を退けた。

「こんな事でやられていたら、護衛長など勤まるか!」

その後も刀と刀が、激しく合わさる音が、辺りに響き渡る。

「馬鹿め!例え護衛長と言えども、一人で勝てると思っているのか!」

部隊を率いる者が、数人と一緒に勇俊に襲い掛かった。

最初は、次々と倒していた勇俊も、さすがに最後の一人に、腕を切り裂かれた。

「護衛長!逃げて下さい!」

将拓が叫ぶ。

「何の!これしきの事で!」

勇俊は、切り裂かれた方の腕の袖を引きちぎると、傷の部分を覆った。
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