宮花物語
護衛達は、目を合わせた。

「そのような方は、まだいらっしゃってないですが……」

勇俊はクルッと振り返ると、元来た道をまた小走りで戻った。


見逃した?

一本道だと言うのに、どこか建物の裏側に、引きずり込まれてしまったのか。

護衛長は、道の両側にある建物と建物の間を、一つ一つ見て回った。


どこなんだ?

無事なのか?

「将拓殿!!」

勇俊が名前を叫んだ時だ。

後ろ側の建物の奥で、人が動く気配がした。

それを見逃さなかった勇俊は、ためらいなく動いた。


勘は当たった。

第8部隊が、将拓を囲んでいた。

「護衛長殿!」

建物の後ろで狭い中、将拓は何とか荷物で、攻撃を防いでいた。

「退け!退け!!」

勇俊が第8部隊の面々に言っても、誰一人命令に従わない。

勇俊は、攻撃をかわしながら、将拓の前まで来た。

「来て下さったんですね。」

「ええ!間に合ってよかった!」
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