宮花物語
「余裕を持っていられるのも、もう少しですよ。」

更に、黒音の攻撃は続く。

「私に男の子が産まれれば、その子は跡継ぎになるはず。そうすれば、私は国母だわ。」

お付きの桂花は、ハッとして黒音を止めた。

「黒音様、どうかその辺で……」

「いいのです、桂花。」

白蓮の凛とした言葉が、辺りに響き渡る。


「黒音。あなたが産んだお子が、次の王になれば、あなたは国母になるでしょう。いくら正妃の私でも、その地位には敵わない。」

白蓮の言葉を聞いて、黒音はニヤッとした。

遂に自分の時代が、訪れるかもしれない。

蔑まれ、塵のように扱われた自分が、何よりも尊い存在に成り得る時が。


「ですがあなたには、その気構えがあるのですか?」

「気、気構え?……」

一瞬にして、黒音の顔が歪んだ。

「国母としての立ち振る舞い、言動、教養、加えて皇子への接し方、躾け。それを学ぼうとしていますか?」
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