宮花物語
黒音は、白蓮の言葉に圧倒された。

そんなモノ、王族に生まれ育った訳ではない黒音には、分かるはずもない。

ましてや虐げられた人生を送った黒音は、学校に行く事もできず、一般教養など、無いに等しい。


「……知らぬ事を、責めているのではありません。もし、本当にその子が皇子だと思うなら、今からでも国母としての在り方を、学んでほしいのです。」

黒音は、奥歯を噛み締めた。

「嫉妬ですか?」

「愚かな。他の妃達が王の子を産む事に、正妃が妬んでどうすると言うのです?」

「そう言って、私のお子を奪うおつもりなのでは?」

「黒音。妃達のお子は皆、王と正妃である私のお子です。わざわざ産みの母であるあなたから、奪う必要などありません。」

何を言っても正論で返してくる白蓮に、黒音は敗北感を募らせるしかなかった。


「さすがは正妃様。ご立派なお考えをお持ちなのですね。」

桂花が黒音の裾を、激しく引っ張る。
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