宮花物語
白蓮は、この時ばかりは、自分の立場を恨んだ。

王の子を産めるのは、今や黒音のみ。

死んだ子をそのままにして、次の子を諦めれば、国を継ぐ者がいなくなる。

「分かりました。黒音に伝えてみます。」

白蓮は気が重いまま、また診察室に戻った。


診察室では、黒音がまだ泣きわめいている。

白蓮は物にあたっている黒音の隣に、恐れもなく座った。

「黒音。心してお聞きなさい。死んだお子は、今すぐ外に出さなければなりません。」

その言葉に、泣きわめいていた黒音の手が止まる。

「死んだ子を産むのは、辛いでしょうけど、これも次のお子を産む為だと思って、耐えるのです。」

あまりの言葉に、黒音はわなわなと怒りがこみ上げてきた。


「死んでいると分かったら、すぐに放り投げろと言うのですか!」

「そんな事は言っていません。落ち着いて、黒音。」

「あなたに!私の気持ちなど、分かる訳がない!」
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