宮花物語
白蓮が、失意の内に神殿から出ようとした時だ。
紅梅の父・忠仁が神殿を訪れた。
「白蓮様?」
思わぬ場所で、思わぬ人物に会い、白蓮は体が飛び上がる程驚いた。
「どうして白蓮様がここに?」
忠仁にそう聞かれ、白蓮は紅梅と同じように、懐妊祈願に来たかと思われるのが恥ずかしくて、顔を覆った。
「いえ……大した事ではありません。」
「はい……」
白蓮は慌てて、話題を変える。
「そう言えば忠仁。黒音の事、聞きましたか?」
「はい。残念な結果になりました。」
いつでも冷静な忠仁。
自分の娘が、懸命に祈っている姿を見ると、他の妃に子が産まれずによかったと思っているのだろう。
「ところで忠仁。」
「はい。」
白蓮は何を今更、こんな事を聞くのかと、自分を疑った。
「……忠仁は、王が幼い頃から側に仕えていますね。」
「はい。幸いな事に。」
「その……王の兄君の事を、知っていますか?」
紅梅の父・忠仁が神殿を訪れた。
「白蓮様?」
思わぬ場所で、思わぬ人物に会い、白蓮は体が飛び上がる程驚いた。
「どうして白蓮様がここに?」
忠仁にそう聞かれ、白蓮は紅梅と同じように、懐妊祈願に来たかと思われるのが恥ずかしくて、顔を覆った。
「いえ……大した事ではありません。」
「はい……」
白蓮は慌てて、話題を変える。
「そう言えば忠仁。黒音の事、聞きましたか?」
「はい。残念な結果になりました。」
いつでも冷静な忠仁。
自分の娘が、懸命に祈っている姿を見ると、他の妃に子が産まれずによかったと思っているのだろう。
「ところで忠仁。」
「はい。」
白蓮は何を今更、こんな事を聞くのかと、自分を疑った。
「……忠仁は、王が幼い頃から側に仕えていますね。」
「はい。幸いな事に。」
「その……王の兄君の事を、知っていますか?」