宮花物語
静かに怒る信志の目からは、涙が次から次へと溢れてきた。

「黒音の懐妊が嘘だっとしても、それを暴き、改心するように諭すのが、おまえの役目だろう!それとも何か?黒音に悪態をつかれたのが、許せなかったと申すのか!」

「っ……」

白蓮は、芯をつかれた気がして、息が止まった。

あの時、医師にどうするか聞かれた時。

もちろん、国の為に黒音の為に、もう一度懐妊してほしい気持ちもあったが……


一瞬、黒音が死んでもいいと、思ったのは確かだ。


「おまえは何て、恐ろしい女なんだ!そんな悪妃と、夜を過ごすなんて、二度とできるか!この前、おまえとの子が欲しいと言った事も撤回だ!」

「そんな!」

「命を軽んじるおまえに、命を宿す資格はない!しばらく、部屋で謹慎していろ!」

信志はそう告げると、白蓮の屋敷を出て行った。

「王……」

白蓮は、床に崩れ落ちた。


「あの……白蓮様……」

医師が話しかけたが、白蓮は気が抜け落ち、ただただ呆然としているだけだった。
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