宮花物語
「あなたって、本当にお目出度いわね。」

「だって、そうでしょう?王をお慕いして、ここに来たんだもの。会えなかったら、悲しくなるのは、当然だと思うけれど?」

ここまでくると、黄杏の為に、一肌脱いであげたくなる。

まるで、姉のような気分だ。


「心配しないで。私が、王に言ってみるから。」

「ええ?」

「大丈夫よ。王はそろそろ、私だけの生活に、飽きている頃だし。密かに青蘭さんと、逢瀬を楽しんでいると思うし。」

それを聞いて黄杏は、また悲しい顔をする。

「やっぱり……青蘭さんの元へは、行くのね……」

「ああ、ほら!あの人は、半ば浮世離れしているところがあるから!」

紅梅は、黄杏の肩を揺らしながら、彼女を励ます。

「黄杏さんは、前と同じように、王をお迎えする準備をしていればいいのよ。」

「紅梅さん……」

そして紅梅は、にっこり微笑むと、大きなお腹を抱えて、屋敷へと戻って行った。
< 394 / 438 >

この作品をシェア

pagetop