宮花物語
「やった、やった!」

黄杏の父は、知らせを聞いて、膝を地面に着き、空を仰いだ。

「黄杏が、皇子を産んだ!あの黄杏が!私達の黄杏が!」

村人も一斉に、皇子誕生を祝った。


「これであんたは、次代の王のお爺様か。」

村人の一人が言った。

「よせよ。孫って言ったって、一生会える訳でもないし。俺は黄杏が無事子を産んだだけで、幸せだ。」

黄杏の父が、照れながら言った。

「本当にそれだけで、いいのかな。」

知らせを持って来た役人が、ニヤニヤしながら聞いた。

「いや、だって、他に何もないでしょうに。」

村人は、少しざわついた。

「喜べ。国母様の産まれ故郷の多宝村には、今後永久的に、税を課す事はないと、王からのお達しだ。」

「本当か!?」

「ああ。ここに王の文書も、きちんとある。」

それを見た村人は、飛び上がる程に喜んだ。
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