キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
ほうきを固定しているガムテープを外す。
物音に気付いたのか「……誰かいるの?」との声。
……私の声って、こんな声だったんだ。
ぼんやりと、そんなことを考えた。ガムテープを外し終えてほうきを退けると、扉を開くことができた。
するとそこには泣き顔で呆然と私のことを見上げる私がいた。
「大丈夫?」
声をかけた。目の前の私は、驚いた表情で固まっている。
「立てる?」
「うん……っ」
「酷いね。閉じ込めるなんて」
しゃがみ込んで目線を合わせたあと、泣いている自分の背中をさする。
どうしてか、客観視してしまう自分がいた。でもそうでもないと、泣いてしまうかもしれない。無意識に自衛しているのかも。
あのとき……ううん、ずっと……。
私がしてほしかったこと。
誰かに、見つけてほしかった。だから真っ直ぐに目を見て、泣く彼女の背中をさすり続ける。
彼女の中に、美樹ちゃんはいない。私は、私のままだ。
泣き虫で、ひとりぼっちで、いじめられていて、それでいて、ずっと生きるか死ぬかを迷っていた。
そのときの私がいま、目の前にいる。
辛かったね。苦しかったね。寂しかったね。
誰かに気づいてほしかったよね。声を、かけてほしかったよね。
堂々とじゃなくてもいい、助けてほしかったよね。
ずっと、差し伸べられる誰かの手を、待っていたね。