意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!
_ 気づけば、城下の中腹まで来ていた。
服は雨をたっぷりと吸い込みずっしりと重くなっている。
足が重い。もうこれ以上、前には進めない。
「はぁ…はぁ…はぁ…ケホッケホッ……はぁ…」
荒い呼吸を整えていれば、
さっきの光景が鮮明に思い出された。
どうして王子がリア王女を抱きしめていたのかなんてわからない。
ただ一つ分かるのは、
王子は私じゃなくてリア王女を選んだということ。