烏丸陽佑のユウウツ
…ふぅ。
「ま、大丈夫そうだから俺は帰るよ」
「陽佑さん…何だかすみません。有り難うございました。元はうっかりしてた私が…」
「いやいい。俺も何て言ったらいいかよく解らん。とにかく鍵もあったし何も被害が無くて良かったよ。で、いいんだよな?」
「まあ、そうですね…はい…すみません」
抱き着いて、お騒がせしたのは身内のちょっとした戯れです、許してやってくださいみたいな事だよな、これって。梨薫ちゃんの横で頭をかいている黒埼君はどんだけ梨薫ちゃんに近いんだよ…。
「確認もせず抱き着いてすみませんでした」
「別に…いいよ。害は無いし」
「いや、ウトウトしてたところに、急にドアが開いたから慌てちゃって…、梨薫さんとしか思わなくて…すみません。…言い訳ですが」
…フ。無邪気な事で…。もういいよ。はぁ可愛いはずだ、こんな事されちゃあな…。
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」「おやすみなさい」
エレベーターに乗った。二人並んでこっちを見ていた。ちょっと手を上げた。二人揃って手を振り返してきた。ドアが閉まった。
…ん?何か当たり前みたいに、俺を見送っておやすみって残ってるけど…。あいつは今からどうするんだ。んー…3時か。中途半端な時間だからな。梨薫ちゃんちで休んで帰るのか。きっと強引にそうするんだろうな。
勝手に部屋に入っていたなんて事は、とうに許せる仲なんだよな。じゃないと、今のタイミングで追い返すはずだし、俺と一緒に引き上げるだろ。
心配して居てくれた、その気持ちがあるから、何もかも、今回も許してしまう…そういう事だな。二人のパターンというか、カタチはもう既に出来上がっているんじゃないだろうか。
今頃、やいやい小競り合いをしてるだろう。それがちょっと楽しかったりする…そうだな…姉思い、弟思いの、姉弟喧嘩のようなものか。俺的にはそんなモノであって欲しいさ。だけどな…。その姉弟は…“赤の他人”だからなぁ。
「ちょっともう、黒埼君…人騒がせな。こんな事しちゃ駄目でしょ」
「来たら鍵がそのままだったんですよ?梨薫さんに何かあったら危ないと思って、入ってみるじゃないですか。そしたら居ないし…すみませんでした。でも…」
「ぁ。…ちょ、ちょっと黒埼君?」
「はぁぁ…お帰りなさい梨薫さん。…仕切り直しですよ。…間違って陽佑さんを抱きしめちゃったから」
「も゙う…調子のいい事、して…言って…。駄目だからね?こんなの」
「解ってます。梨薫さん、気をつけてくださいよね。鍵をそのままにしてるなんて。うっかりにも程がある」
「もう…ちょっと…聞いてるの?もういいでしょ?離して…」
「はぁ…聞いてますよ。今度こんな事があったら、今みたいに直ぐ入らないでくださいね。俺、何時だって直ぐ確認しに来ますから。あ、ちょっと…朝帰りじゃないですか。しかも陽佑さんとって…」
「あー、それはいいの。お店で飲んでて具合が悪くなって、終わるまで休ませて貰ってたから。留守番してくれてた事になるのよね…それは有り難う。うっかりは無いように気をつけるから。もうしない。と思うから。それはそうと…どうするの?…帰る?」
「出来れば…」
「何?」
「…寝させてください」
「はぁ…そうよね。…寝るだけよ?いいわね?寝るだけよ?」
「はいっ!」
「…?はぁ。あ、ソファー使って?今、掛け布団持ってくるから」
「え?ゔー…今回は…梨薫さんと…一緒じゃないんですか?温め合って、みたいな?…」
「…何言ってるの、それは駄目よ?眠れないでしょ?」
「あー、ハハハ。…ですね…」
「…ねえ?もう、腕離して?」
「あー、はい。気づきましたか…」
「ま、大丈夫そうだから俺は帰るよ」
「陽佑さん…何だかすみません。有り難うございました。元はうっかりしてた私が…」
「いやいい。俺も何て言ったらいいかよく解らん。とにかく鍵もあったし何も被害が無くて良かったよ。で、いいんだよな?」
「まあ、そうですね…はい…すみません」
抱き着いて、お騒がせしたのは身内のちょっとした戯れです、許してやってくださいみたいな事だよな、これって。梨薫ちゃんの横で頭をかいている黒埼君はどんだけ梨薫ちゃんに近いんだよ…。
「確認もせず抱き着いてすみませんでした」
「別に…いいよ。害は無いし」
「いや、ウトウトしてたところに、急にドアが開いたから慌てちゃって…、梨薫さんとしか思わなくて…すみません。…言い訳ですが」
…フ。無邪気な事で…。もういいよ。はぁ可愛いはずだ、こんな事されちゃあな…。
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」「おやすみなさい」
エレベーターに乗った。二人並んでこっちを見ていた。ちょっと手を上げた。二人揃って手を振り返してきた。ドアが閉まった。
…ん?何か当たり前みたいに、俺を見送っておやすみって残ってるけど…。あいつは今からどうするんだ。んー…3時か。中途半端な時間だからな。梨薫ちゃんちで休んで帰るのか。きっと強引にそうするんだろうな。
勝手に部屋に入っていたなんて事は、とうに許せる仲なんだよな。じゃないと、今のタイミングで追い返すはずだし、俺と一緒に引き上げるだろ。
心配して居てくれた、その気持ちがあるから、何もかも、今回も許してしまう…そういう事だな。二人のパターンというか、カタチはもう既に出来上がっているんじゃないだろうか。
今頃、やいやい小競り合いをしてるだろう。それがちょっと楽しかったりする…そうだな…姉思い、弟思いの、姉弟喧嘩のようなものか。俺的にはそんなモノであって欲しいさ。だけどな…。その姉弟は…“赤の他人”だからなぁ。
「ちょっともう、黒埼君…人騒がせな。こんな事しちゃ駄目でしょ」
「来たら鍵がそのままだったんですよ?梨薫さんに何かあったら危ないと思って、入ってみるじゃないですか。そしたら居ないし…すみませんでした。でも…」
「ぁ。…ちょ、ちょっと黒埼君?」
「はぁぁ…お帰りなさい梨薫さん。…仕切り直しですよ。…間違って陽佑さんを抱きしめちゃったから」
「も゙う…調子のいい事、して…言って…。駄目だからね?こんなの」
「解ってます。梨薫さん、気をつけてくださいよね。鍵をそのままにしてるなんて。うっかりにも程がある」
「もう…ちょっと…聞いてるの?もういいでしょ?離して…」
「はぁ…聞いてますよ。今度こんな事があったら、今みたいに直ぐ入らないでくださいね。俺、何時だって直ぐ確認しに来ますから。あ、ちょっと…朝帰りじゃないですか。しかも陽佑さんとって…」
「あー、それはいいの。お店で飲んでて具合が悪くなって、終わるまで休ませて貰ってたから。留守番してくれてた事になるのよね…それは有り難う。うっかりは無いように気をつけるから。もうしない。と思うから。それはそうと…どうするの?…帰る?」
「出来れば…」
「何?」
「…寝させてください」
「はぁ…そうよね。…寝るだけよ?いいわね?寝るだけよ?」
「はいっ!」
「…?はぁ。あ、ソファー使って?今、掛け布団持ってくるから」
「え?ゔー…今回は…梨薫さんと…一緒じゃないんですか?温め合って、みたいな?…」
「…何言ってるの、それは駄目よ?眠れないでしょ?」
「あー、ハハハ。…ですね…」
「…ねえ?もう、腕離して?」
「あー、はい。気づきましたか…」