烏丸陽佑のユウウツ
エレベーターを降りて部屋に向かった。梨薫ちゃんは少し先になり小走りしていた。
「…あ。はぁ…良かったぁ。陽佑さん、あります、ありました。やっぱり差さったままです。良かった」
「そうみたいだな」
部屋の前に立つ梨薫ちゃんに追いついた。
「有り難うございました、もう大丈夫です。本当ごめんなさい」
「まあ、ここにあったから良かったようなものの…。あ、おい、待て、まだ入るな。安全確認が先だ。
鍵はそのままで、人に入られて荒らされてるかも知れない。もしかしたら中に誰か居るかも知れない」
「え゙!そんな事ある?そんな事言われたら…怖い…入れない。…警察に連絡?あ、それはまだ早いですよね。
盗られるような物は特に無いけど…」
そういう問題じゃないだろ…。
「そんな事は侵入する迄、解らない事だ。何を盗るかなんて解らないだろ?金目の物じゃない物が目的だったら?
入ってみたら女性の一人暮らしのようだしって。変質者が部屋のどこかに潜んで居たらどうする。ポケットに下着とか入れてるかも知れないぞ?」
「えっ!変質者…?」
肩を抱いてブルッとした。
「フ、そうだ、変質者だ。変態だ。どうする。俺が先に入って確かめてみようか?それがいいだろ」
「…あ、はい、お願いします、あ、でも、それって陽佑さん、危ないかもですよね」
「その点は、まあ大丈夫だ。取り敢えず梨薫ちゃんはまだ入って来るなよ。
ほら、鍵はちゃんとしまっておけ。部屋は入ってもいいな?まずい状態だって言っても、この際、無視するけど」
「はい…大丈夫、そこそこに片付けています」
「うん。じゃあ、入るからな」
…。
「…おい」
「はい」
「離してくれるか。入れない」
「あ、あ、はい。つい、ごめんなさい…はい、どうぞ」
「ああ」
無意識に怖さからだったのだろう。梨薫ちゃんは俺の腕を掴んでいたんだ。パッと離した。
固唾を飲んだ。…カ、チャ。ドアを引きそろりと入った。
「……あ!お帰りなさ…」「うおっー!」
え?やっぱり誰か居たの?ガタ、バタバタ。…え?
「わ゙ー」「わーーっ!?あ?…あ゛ぁあ?」
静かになった。どうなったの?陽佑さん、大丈夫なの?
「…大丈夫ですか?…入りますよ?…陽佑さん?」
ちょっと怖い。カ、チャ…。恐る恐る覗き込んだ。
「陽…佑さ、ん?大丈夫?…え…何?えー!?」
「あ、梨薫さん!」
ドアを開けた先には煙たそうな顔をした陽佑さんに抱き着いた黒埼君が居た。ア、ハハって黒埼君が笑った。
「…ちょっと…はぁぁ。もう黒埼君、一体どういう事?!」
パチッと明かりを点けた。
「あ、眩し…。ぁ、えっと、あのこれは…すみません。夕べ梨薫さんちに来たら鍵が差さっていて。でも梨薫さんは居ないみたいで…。鍵は差さってるし、まあ、直ぐに帰って来るんじゃないかなぁと…思って。そのままだと誰かに入られたら危ないから、ちょっと中で…玄関で待ってようかなぁって…。鍵はそのままの方が違和感無いだろうと思って…。そしたら待ってる間に寝ちゃってました。
ウトウトしてたらドアがいきなり開いたから、てっきり梨薫さんだと思って疑わなくて俺。あ、勿論これ以上は入ってないです。誓って部屋には上がってないですから、本当です」
…。
「もう…びっくりさせないで…」
「はぁ…びっくりしたのは俺だ。身構えて入ったには入ったが、そしたらいきなりこれだ、黒埼君だ。うっかり殴らなくて良かったよ。おい…もう解放してくれるか」
「あ、あぁ、すみません」
抱き着いていた腕を緩められた。
「ていうかだな。梨薫ちゃんが先に入っていたら…はぁぁ…。こんな風に抱き着いていたって事か?だよな?」
「はい!」
…何を嬉しそうに、はい、だ。安全のためだとか言って…計画的犯行じゃないか…。俺からしたら、立派な…危険な侵入者だよ。
ポケットに何か入れてないだろうな…。
「…あ。はぁ…良かったぁ。陽佑さん、あります、ありました。やっぱり差さったままです。良かった」
「そうみたいだな」
部屋の前に立つ梨薫ちゃんに追いついた。
「有り難うございました、もう大丈夫です。本当ごめんなさい」
「まあ、ここにあったから良かったようなものの…。あ、おい、待て、まだ入るな。安全確認が先だ。
鍵はそのままで、人に入られて荒らされてるかも知れない。もしかしたら中に誰か居るかも知れない」
「え゙!そんな事ある?そんな事言われたら…怖い…入れない。…警察に連絡?あ、それはまだ早いですよね。
盗られるような物は特に無いけど…」
そういう問題じゃないだろ…。
「そんな事は侵入する迄、解らない事だ。何を盗るかなんて解らないだろ?金目の物じゃない物が目的だったら?
入ってみたら女性の一人暮らしのようだしって。変質者が部屋のどこかに潜んで居たらどうする。ポケットに下着とか入れてるかも知れないぞ?」
「えっ!変質者…?」
肩を抱いてブルッとした。
「フ、そうだ、変質者だ。変態だ。どうする。俺が先に入って確かめてみようか?それがいいだろ」
「…あ、はい、お願いします、あ、でも、それって陽佑さん、危ないかもですよね」
「その点は、まあ大丈夫だ。取り敢えず梨薫ちゃんはまだ入って来るなよ。
ほら、鍵はちゃんとしまっておけ。部屋は入ってもいいな?まずい状態だって言っても、この際、無視するけど」
「はい…大丈夫、そこそこに片付けています」
「うん。じゃあ、入るからな」
…。
「…おい」
「はい」
「離してくれるか。入れない」
「あ、あ、はい。つい、ごめんなさい…はい、どうぞ」
「ああ」
無意識に怖さからだったのだろう。梨薫ちゃんは俺の腕を掴んでいたんだ。パッと離した。
固唾を飲んだ。…カ、チャ。ドアを引きそろりと入った。
「……あ!お帰りなさ…」「うおっー!」
え?やっぱり誰か居たの?ガタ、バタバタ。…え?
「わ゙ー」「わーーっ!?あ?…あ゛ぁあ?」
静かになった。どうなったの?陽佑さん、大丈夫なの?
「…大丈夫ですか?…入りますよ?…陽佑さん?」
ちょっと怖い。カ、チャ…。恐る恐る覗き込んだ。
「陽…佑さ、ん?大丈夫?…え…何?えー!?」
「あ、梨薫さん!」
ドアを開けた先には煙たそうな顔をした陽佑さんに抱き着いた黒埼君が居た。ア、ハハって黒埼君が笑った。
「…ちょっと…はぁぁ。もう黒埼君、一体どういう事?!」
パチッと明かりを点けた。
「あ、眩し…。ぁ、えっと、あのこれは…すみません。夕べ梨薫さんちに来たら鍵が差さっていて。でも梨薫さんは居ないみたいで…。鍵は差さってるし、まあ、直ぐに帰って来るんじゃないかなぁと…思って。そのままだと誰かに入られたら危ないから、ちょっと中で…玄関で待ってようかなぁって…。鍵はそのままの方が違和感無いだろうと思って…。そしたら待ってる間に寝ちゃってました。
ウトウトしてたらドアがいきなり開いたから、てっきり梨薫さんだと思って疑わなくて俺。あ、勿論これ以上は入ってないです。誓って部屋には上がってないですから、本当です」
…。
「もう…びっくりさせないで…」
「はぁ…びっくりしたのは俺だ。身構えて入ったには入ったが、そしたらいきなりこれだ、黒埼君だ。うっかり殴らなくて良かったよ。おい…もう解放してくれるか」
「あ、あぁ、すみません」
抱き着いていた腕を緩められた。
「ていうかだな。梨薫ちゃんが先に入っていたら…はぁぁ…。こんな風に抱き着いていたって事か?だよな?」
「はい!」
…何を嬉しそうに、はい、だ。安全のためだとか言って…計画的犯行じゃないか…。俺からしたら、立派な…危険な侵入者だよ。
ポケットに何か入れてないだろうな…。