烏丸陽佑のユウウツ

海老は取り敢えず冷蔵庫にしまった。

色々と食べる物があるんだ。急に持って来られても一人だと食べ切れなくなるだろうが。
海老か...その内、料理してやるからな。
一番に海老チリだな。焼くのもいいし。伊勢海老の頭で味噌汁も旨いな。刺身も甘くて旨いな。
日本酒はあったかな...。もしくはワインか。

明日、まだ近くの酒屋は開いてるかな。ま、開いてなきゃ開いてる店に行けばいいか。
酒も用意して、たまには正月らしくしてみるか。

せっかくこっちに来たのに、また逆戻りみたいに走る事になりそうだな。
特にやる事もないからドライブがてらだ。苦にもならない。

...今年の内に、か。

気持ちははっきりしている。伝えた。
返答が無いだけだ。

俺は俺で、今年の内に終わらせたぞ。

正直、迷いが無い訳じゃない。
あれ程、思わせ振りな事を繰り返されて...。でも、何一つ、明確な言葉は無い。だから、俺の思い違い、ただの不可解な行動だとも言える。

だからこの思いは独りよがりのモノだと思う事にする。

俺からしたら、梨薫ちゃんは、部長さんや黒埼君に対して...よく解らない態度を繰り返しているようにしか見えない。こっちに思いがあっても、そんな状況を見せられて、知らされて...、そんなんで自分の事をいいと思ってるはずが無い。と思う。...止めた方が身の為だ。

言った事があったはずだ。
店に来ているお客さんで、俺の事を好きだと思ってる人が居たとしても、好きなら好きと言ってくれなきゃ解らないし、言わないなら好きじゃないと同じだって。それは自分にも当て嵌まる事だと思っては見ないのか...。

...ファンだ、と言ってくれる子の方が、まだずっと解りやすくていいくらいの事だ。

これから先、誤解が生じないように、確実な、とどめが必要なのかな...。


【会って話がしたい、と言えば、会うのか。送ったメールに何一つ返事は無い。
色んな、不可解な行動をされても、俺には伝わらない、解らない。肝心な言葉は何も聞いてない。
俺の思いは一方的だって事だ。しかも、そっちに気持ちが無いなら、俺の鬱陶しい言葉としか取られない。
もう、これで最後だ。
俺は好きだった。もう過去形だ。だからこの気持ちは終わりだ】

…はぁ。まただ。何だか、きつい言い方になってしまうんだよな。苛々するんだよ…。
まだまだ、吹っ切れてない証拠だ。俺はまた、傷つけてしまうのか。

送信した。