烏丸陽佑のユウウツ
【何もかも終わってしまうんだ、そう思ったら、どんなメールも、大事なメールも出来なくなってしまいました。ごめんなさい】
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【稜と突然終わってしまって、少しずつ自分を取り戻して来れたのは陽佑さんのお店があったから。そこに行けば、陽佑さんが居たからです】
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【年末、珍しく部屋の片付けをしようと頑張ったせいで、黒埼君と観たDVDがあるんですけど、それを手にしたら、その映画をまた観たくなって...。多分、何も考えず、泣きたかったのかも知れません。
片付けを中断して、観て終わったら、そこに稜が居ました。稜が私に遺した映像があったんです】
あぁ......見てしまったのか。何も考えずにと言っているが...その映画、余程、観たい内容の映画だったんだな...。そして、観れば泣いてしまうと最初から解っていたモノだ...。
【前観た時は、気がつきませんでした。私は終わった辺りで寝てしまったから。でも、きっとあの時、一緒に観た黒埼君は知っている気がします】
知ってるよ...。黒埼君は梨薫ちゃんがそれを見て、辛くなるのを避けさせたかったんだから。
【今になって見てしまった。これもタイミングなんだと思いました。見て、辛い、とは少し違いました。変な言い方かも知れないけど嬉しかった、稜が居る、と思いました。私はこれを見るまでにもう、稜がなぜ終わりにしたのかの理由を知っていました。初めて知る事実にはならなかったから。
稜が話している内容は辛い物でした。でも、ここに、生きている稜が居て話している、稜の声がする、と思いました。
別れた後からのモノだと思うから、年数は経っていても、私が知っている一番最新の稜って事になりますね】
見せたいモノがある…。夢で見た事を話してくれたように、部長さんに話して見せるのか…。それとも、もう見せた後かな…。夢の内容を本当の事のように気にしていたら、見せた方がいいと思い付いただろう。
【これはもう二度と見てはいけない、消してしまった方がいいんだろう、と思いました。でも、まだ見たばっかりで、それはまだ出来ません】
…はぁ。黒埼君は今、一緒ではないのか…。
泣いてるだろ…。ずっと側に居て、抱きしめてくれてはいないのか。
…梨薫ちゃん。…どうなんだ。一人なのか?