艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
ほとんどすべてのショップを見て回った頃には、もう夕暮れになっていた。


夕焼けが真っ赤に輝いていて、歩き疲れた私たちはホットコーヒーをコーヒーショップでテイクアウトして、海の見える位置に作られた階段状のデッキに並んで腰を下ろす。


「疲れただろ?」

コーヒーを啜りながら、駒宮室長が尋ねる。

「いえ、楽しかったです。明日からまた仕事を頑張れそうです。」

「『LIVUS』のショップに戻りたくなったんじゃないのか?」

私の答えに駒宮室長は少し安心した表情を浮かべて、いたずらに少しだけ微笑む。


だけど、昨日までの私なら駒宮室長のわずかな表情の変化なんて気が付かなかったに違いない。

今日、一日一緒に過ごしたら、駒宮室長の表情の変化に気が付くようになった。

わずかだけれど、笑ってくれるし、穏やかな顔も、真剣な顔も、色々な表情を見せてくれる。


その度に、私の胸が小さく高鳴ることは自分の胸に留めておく。

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