艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「俺にとっては、嬉しい誤算だった。だから、佐々田。ショップに戻るなんて考えるな」

海の向こう岸に見える工場の明りが、やけに光って見える気がする。

ちらりと視界に映った駒宮室長のコーヒーを啜る横顔はものすごく色気を帯びていて、私の胸の高鳴りはなかなか収まりそうにない。

「佐々田がショップに戻られると、俺が一番困る」

そろそろ帰るかと立ち上がり、車に向かって歩き始めた駒宮室長の背中を追いかけた私を、駒宮室長が振り返ってポツリと溢す。

駒宮室長の言葉が私の胸を十分すぎるくらいに震わせた。



だけどそれ以上に私の胸を締め付けたのは、私の方を振り返った室長がにっこりと私に微笑んでみせたからだった。


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