艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
席に戻ると、隣の席で作業をしていた萩原さんが私にそっと耳打ちしてくる。

「まどかちゃんって、もしかして計算高い女系?」

「えっ?」

計算高い女、なんて初めて言われて私は、萩原さんの言葉に思わず目を白黒させてしまう。

そんな私の様子に、萩原さんは可笑しそうに小さく肩を震わせる。

「だって、明らかに駒宮室長が機嫌いい日を狙って企画書提出しているじゃん」

こっそり私に囁いた萩原さんが、駒宮室長に視線を向けながら教えてくれたから、私も同じ方向に視線を移して、駒宮室長の表情を盗み見てみる。

だけど、至って真面目な表情を崩さずに仕事している駒宮室長が機嫌が良いのかなんて分からず、私は首を傾げてしまう。

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