艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
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終業時間はついさっき過ぎてしまった。

結局、渡すタイミングを逃してしまい、ウーロン茶のおまけのストラップだけ、私のデスクの引き出しに入ったままになってしまっている。

パッケージの隙間から見える瞳をウルウルとさせてこっちを見つめてくるアザラシのキャラクター。

この数時間、私が何度も見ているせいで、なんだか愛着さえ湧いてきてしまって、私はこっそりこのアザラシに『ジョニー』と名付けてしまった。


何度も渡すタイミングを逃してしまい、午後からの私はというと駒宮室長の様子ばかりに気を取られてしまって、仕事が思うように進まなかった。

なんて、そんなことは言い訳に過ぎないんだけど、結局、今日も残業する羽目になってしまい、終業時間に私は小さく肩を落とす。

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