艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます


「郁ちゃん、ちょっといい?」

急に祥子さんに声をかけられ、私は駒宮室長と祥子さんのもとへ向かう。


「初めまして、新規事業開発室の駒宮です」

丁寧で穏やかな口調は、まどかさんのメールにあるように無愛想だとかぶっきらぼうなんてイメージは想像が出来ない。

私服だというのに、凛とした立ち振る舞いはさすがエリート社員だと思える。



「この子、今まどかの後任でウインドウディスプレイをお願いしている郁ちゃん。」

「寺原 郁です。」

祥子さんの紹介で私は無理矢理笑顔を張り付けて笑顔で挨拶をする。


初めまして、なんかじゃないのに……。

きっと、駒宮室長は私のことなんて覚えていないんだろうな。


駒宮室長の言葉に、胸がチクリと痛む。

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