艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「部下を一人で帰すわけにもいかないだろ?」

どうやら心配してくれているらしい。

駒宮室長、意外とやさしいところもあるんだな。


そんな考えが頭に浮かぶけれど、私は駒宮室長の言葉に素直に甘えるなんて出来なくて。


「大丈夫です。駅まで、結構明るいですし」

ははは、って笑い飛ばそうとしたのだけれど、真っすぐな駒宮室長の声に私は笑い飛ばすことさえ忘れてしまう。


「そんな問題じゃない」

たったその一言。
不機嫌で不愛想な表情を1つ変えない駒宮室長は、何を考えているか分からない。


だけど、一つだけ今分かっていることは、どうやら私が仕事を終えるまで付き合ってくれるということらしい。


私が駒宮室長の方を少しだけ見ると、駒宮室長はパソコン作業を再開させている。


< 53 / 262 >

この作品をシェア

pagetop