艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます

「佐々田、帰るぞ」

ようやく仕事がひと段落した時には、既に午後九時を過ぎた頃だった。

先に帰宅準備を整えた駒宮室長が、オフィスの扉を開けて待っていてくれている。

私も急いで帰り支度をしてオフィスの出入り口に向かうと、駒宮室長が先に出る様にと促してくれる。


駒宮室長って、女性の扱いに慣れているんだろうな。


ごく自然な駒宮室長の振る舞いに少しドキッとしたことは、気が付いていない振りをする。


駒宮室長のこんなスマートな振る舞いを郁ちゃんに教えてあげたら喜ぶだろうなぁ。


『どこかの王子様みたい』だとか言いながら頬をピンク色に染める郁ちゃんの顔が浮かんでくる。