艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「いや、あの……。駒宮室長のこと、気になっているっていう知り合いがいまして。それでその…」

小さくなりながら、言い訳の言葉を並べる。

とにかく謝らなきゃ。

「なんだ、その質問。中高生みたいだな」

私の言い訳を遮って、駒宮室長は、呆れたような口調でポツリと呟く。


それから、スッと立ち上がり駒宮室長のデスクに戻っていく。

「佐々田。」

「ハイっ!!!」

背中越しに低くはっきりとした声で名前を呼ばれる。駒宮室長は私の返事にも振り向かず、その表情を読み取れない。

だけど、なんとなくいつもの不機嫌そうで不愛想な表情だということだけは分かる。


「とにかく余計なことなんか考えず、目の前の仕事に集中しろ」

「すみません」


少しだけ棘のある言い方に私は背中がゾクッとする。



ひぃぃぃぃぃ。
やっぱり駒宮室長は怖い。


『報告:やっぱり怖いです』

後で、郁ちゃんにはそうメールを送っておくとしよう。 

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