夕日の中の思いを君に伝えたくて
暴走族にしてはとてもいい判断だ。
私はみんなに赤猫として暴走族には恐れられる。毎日路地裏に来ておじいさんを守るために喧嘩をしてればこうなる。
赤猫の由来が赤のパーカーに猫のようなしなやかな体はこび、ということらしい

「最近、君が赤猫としてみんなに怖がられてるから私は悲しいよ…」

「おじいさん大丈夫よ、私が赤猫として活動してるのはここだけで学校ではちゃんと友達いるんだから!!じゃあ、また明日もくるね」

「ああまた話をしよう、待っているよ」

おじいさんはとても優しい笑顔で見送ってくれた。

「お前、最近あのじいさんに飯与えてるけど何が目的?偽善?お前赤猫だろ」

急に話しかけて来た男は同い年くらいで目はキリッとして鼻もスっと伸びている。輪郭も細くて、かなりイケメン。
でも、そんなの私には関係ない。

「は?関係ないでしょ」

「赤猫が最近噂になってて最近下っ端の奴が怯えてんだよ」

「私ごときで怯えるなんて下っ端のやつ弱いんじゃない?」

「お前さ、可愛くねーな。姫柊紫苑」

「…っ?!」

私はびっくりして逃げた。全力疾走で。絶対にバレるはずないと思ってた。バレたら終わりだから。すっぴんだしフードも深くまで被ってる、それに、姫柊紫苑なら絶対にしなさそうな服装にしたのに…バレた。終わった

「おーあいつ本当に猫みたいだな。逃げ足早いけど綺麗だ」

そいつがそう言って笑ったことを私は知らない

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