番犬男子
バスを乗り継いで、ようやく目的地にたどり着いた。
バスを降りて、おばあちゃんの家も双雷のたまり場もあるこの街に、一歩踏み入れる。
風がそよいで、ふわり、とあたしの栗色のウェーブがかったボブの髪をなびかせた。
ここに“彼”がいるんだ。
早速、おばあちゃんの家に向かう。
家を出る前に、本当は一度で覚えられるのに穴があくほど地図を見てきたから、道順はばっちり暗記している。
バス停からしばらく歩いた頃。
通ってきた繁華街に近い道の途中に、コンビニがあるのを発見した。
ちょうど目の前を歩いていた、同い年くらいの男子2人がそのコンビニに入っていく。
横目にコンビニを捉えながら、通り過ぎようとした、が。
……ちょっと待てよ?
録画を巻き戻すように、数歩後ろに下がり、コンビニの入口の前に戻る。