番犬男子





“彼”は、あたしと会ったら、どんな反応をするんだろう。


どんな思いを抱くんだろう。




あたしがこっちにいられるのは、今日から年末まで。


たった2学期の期間だけ。


今日だって、あたしがわがままを言って、少し早目に出発した。



ほんとはもっと一緒にいたいのに。


限られた時間の中でしか、“彼”と過ごせない。




このまま日本に引っ越してきちゃいたいくらいだけど、そうもいかない。



あたしはなんだかんだ言って、アメリカの学校を気に入ってるし、お父さんもアメリカで仕事をしている。


簡単に日本に戻ってはこれない。



だから、余計に、1秒1秒が惜しいんだ。





早く会いたい。



“彼”に、名前を呼んでもらいたい。


また“彼”と思い出を作りたい。





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