番犬男子




むうっとむくれても、効果はない。


却下を却下したい。



「今日もブラコンしてるわね、チカちゃん」


「当たり前じゃん!あたしは宇宙1お兄ちゃんが大好きだよっ」



ホールにいた雪乃は、あたしの挨拶代わりの告白を「素敵ね」と褒めてくれた。


逆にお兄ちゃんは、思いっきり顔を歪めて、うんざりしている。




「あ、稜、いたのか!」


「今来た」


「もしかして、千果と一緒に?」


「ああ、途中で会った」



扉前で茶番が終わるのを待っていた稜に、同じくホールにいた遊馬が気づいて、珍しそうに相槌した。



ホールには、あたしを除いて、幹部以上と下っ端4人しかいなかった。



「他の下っ端の人たちは?」


「もうパトロールに行ったよ」



答えてくれたのは、お兄ちゃんの隣にいる幸汰。



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