番犬男子
俺もいい子にするから。
反発すんのはやめるから。
天才にはさすがになれねぇけど、勉強頑張るから。
だから、俺のことをどうでもよく思わないで。
雪を乱す暴風の音が、聴覚を刺激する。
涙が出そうになって、鼻をずずっとすする。
泣くもんか。
そんな時だった。
『あ、いた!』
突然、前方から声が聞こえたのは。
この声は……。
ゆっくりと腕から顔を持ち上げる。
吹雪に邪魔されながらも前を見据えた。
『お兄ちゃん!』
そこにいたのは、千果1人だけだった。