番犬男子




他のみんなにも、別れのハグとキスをした。


ほとんどがお兄ちゃんと同じで、赤面して照れていた。



下っ端は主に「うわー!」って叫ぶか、「!!??」って声にならない絶叫を出していた。

叫ぶのは迷惑になるからやめなさい。


雪乃はふふっと笑って、お返しのキスをしてくれた。

さすが、雪乃。


稜は最初無言で睨んで、キスした側の頬を袖で拭いやがった。

そんなに嫌だった!?


遊馬はキスする前から、カチンコチンに硬直していた。

モテるのに、こういうの免疫ないみたい。




最後は、幸汰。


幸汰は照れくさそうにするわけでも、固まっているわけでもなく、熱っぽい眼差しであたしを見つめていた。



心臓が、トクン……と高鳴る。




今まで平気な顔してハグとキスしていたにもかかわらず、急に恥ずかしさがこみ上げてきた。


どうしちゃったの、あたし。



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