豪を見送ると、ひかるは猛烈なまでの寂しさに襲われた。

自分の部屋のふとんで眠る気は起きなくて、さっきまで豪と過ごしていたリビングで眠った。

チーズを乗せただけの食パンとカフェオレで朝食を済ませると、3日に1回の洗濯を始めた。

1人で暮らしていると洗濯の量が少ないので、洗濯は3日に1回とルールを決めている。

洗濯物を全て欲し終え、時計が11時を指差したのと同時に、雑貨屋『ミザリー』が開店した。

午前中は掃除などをしながら店番をして、午後は工房にこもって店頭やネットオークションに出すオブジェを作っている。

その間に客が来店して商品を買う場合は、レジの横にあるベルを押してもらうと言うシステムだ。

その日も掃除をしながら店番をしていたら、
「おはようございます」

客がきたので視線を向けると、伊崎だった。
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