「おはようございます」

伊崎にあいさつを返したのと同時に、自分は彼に告白をされてつきあうことになったことを思い出した。

「あの、伊崎さん…」

昨日の返事を断ろうと口を開いたら、
「いきなりで申し訳ないんですけど、今週の日曜日に何か用事はありますか?」

伊崎がさえぎるように質問をしてきた。

「えっ…いえ、特には」

質問の理由がよくわからなかったが、ひかるは答えた。

「よかった」

ひかるの答えに、伊崎はホッとした表情を見せた。

「あの…」

一体、何がよかったのだろうか?

そう思いながら伊崎に声をかけたら、
「ひかるさんがよろしかったらですけど、一緒にお出かけしませんか?」
と、伊崎が言った。

「えっ…?」

自分は伊崎から、いわゆる“デート”の誘いを受けたのだろうか?
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